2019/3/7

逗子市の健康料理教室に参加して得たもの

 
 ( 事務局のつぶやき )
 気が付けば何時の間にか3月になっていた。例年であれば関東地方は春の声を聴いてから天候が不順になっていた筈である。ところが昨年の12月から今年の1月に掛けて晴れの日が続き、雨が極めて少なかった。だが2月6日以降、それまで続いていた安定した晴れの日が一転して雨や曇りの日が多くなった。その不順な天候は3月になっても続き、そのまま春を迎えようとしている。アウトドア派の私にすれば、外出には絶好の、待ちに待った暖かい気候が戻って来た。
 
 そして昨年の10月から通っていた男性の健康料理教室が今日で終了した。体験教室を含めればおよそ半年間、逗子市が行っている健康促進の一環の活動に参加させてもらった。高血圧症の男性を少しでも少なくしようと言う趣旨から、塩分少なめのレシピが殆どである。料理教室は調理実習だけではなく、食品の栄養成分表示やヘルスアップ運動、お風呂の入り方、介護保険の仕組み、更にボランティア活動など、老いを感じ始めた人たちに心の準備を勧める内容が盛り沢山であった。私もご多分に漏れず高血圧症予備軍、いや立派な高血圧症戦士の一人として、掲示板に貼ってあったポスターを見て急に参加してみようと思い立った次第であった。
 
 それまでも、食事に関しては家内が心配して減塩、高脂血症対策に並々ならぬほどに気を配ってくれていたし、自分でも極力有酸素運動を取り入れ、少なくても2日に一度は鷹取山、あるいは披露山公園への散歩を欠かすことがなかった。だからある程度は健康には自信があった、それが慢心であったと言われれば返す言葉もない。そんな最中、昨年末に行った健康診断で、「貴方の血圧は197です。これはもう立派な高血圧症です」 予期しなかった診断結果を担当医から告げられ、一気に奈落の底に突き落とされてしまった。食事にも気を遣い、市も勧めている有酸素運動もずっと以前から取り組んでいたのに、心の中は 「何故?」 ただそれだけが渦巻いていた。
 
 そして悩みに悩んだ末、一年の計として目標を立てたのが、以前行っていたトレーニング法を取り入れることであった。そして今年1月になって早速無酸素運動を取り入れ、やがて正月三が日が終わろうとしていた。そして夕方になって血圧測定をした時に我が目を疑った。驚いたことに、何と血圧が一気に117にまで落ちていた。昨日まで190近くまで上がっていた血圧が一気に117まで落ちていたのだ。太い動脈の血管を塞いでいた血栓が粉々に吹き飛んだのか、あんなに高かった血圧が一気に落ちてしまったのである。込み上げる嬉しさを堪えることができない。「ワオーッ!」、向こう三軒両隣りまで壁がビビる程の大声で叫んだ。
 
 その効果がてきめんに表れた無酸素運動とは、軽い運動をして脂肪や糖質を酸素によってエネルギーに変える有酸素運動に対して、陸上短距離走や重量挙げのような最大運動強度を短時間にエネルギーに変える激しい運動を言い、エネルギーは酸素を使わずにグリコーゲンを乳酸に分解して得ている。そのトレーニングメニューは、ロードバイクにトレーニング用のスタンドを取り付け、ウオーミングアップの後にペダルの回転数を1分間に90回転に保ったまま150ワットの負荷を掛けて30分、その後200ワットの負荷で10分、その後250ワットの負荷を掛けて目一杯回して20秒、その直後、最大心拍数の80パーセントになるようにペダルの回転数を落として40秒間、そして再び目一杯回して20秒間、これを10回繰り返すインターバルトレーニングを行う。この90回転でペダルを漕ぐのには少し意味がある。重い負荷でゆっくりとペダルを漕ぐと膝や大腿筋に掛かる負担が大きく、回転を上げるほど右肩下がりに負担が減ってくる。一方、心臓はペダルの回転数を上げるほど右肩上がりに負担が大きくなってくる。この二つのグラフの交点がちょうど90回転になる。ウオーミングアップ後からインターバルトレーニングまでを1セットとすれば、10年ほど前までは一日5セットを行っていたが、古希を迎えた今、しかもトレーニングを再開したばかりの身体では1セットが精一杯である。ロードバイクに乗っている時間は1時間半、真冬でさえ汗が滴り落ち、「やったーっ!」と叫ぶほどの実感が湧いてくる。
 
 前述した最大心拍数は、正式には上り勾配の道路でロードバイクのペダルを目一杯踏み続け、心臓から吐き出した血液が殆ど足に行ってしまい目も開けていられない程の眠気に襲われる。その時に計測した心拍数が最大心拍数である。だが簡易的には220から自分の年齢を差し引いた値が近似値として用いられている。又、朝起きた時にベッドから抜け出る前の、微睡んでいる時の無負荷の状態で測定した心拍数が最小心拍数になる。最大心拍数からこの最小心拍数を差し引いた値が、所謂自分の心臓の固有の運動能力である。これに0.8を掛けた値に最小心拍数を加えた心拍数でトレーニングすると、効率良く心肺機能を鍛えることができると言われている。
 
 この10年ほど前まで行っていたハートレイトトレーニングを再開したことにより、医者から警告を受けた高血圧ゾーンから一気に落とすことに成功した。だがこのトレーニング法は余り他人に勧めることは出来ない。何故なら、今まで運動をしてこなかった人が急にハードなトレーニングをすると心臓発作を引き起こす危険性があるからだ。だから有酸素運動レベルよりも僅かに高い設定値を目標にして、身体を追い込むトレーニングに止めるべきである。何れにしても掛かり付けの医者と良く相談してからにした方が良い。何事もそうであるが、千里の道も一歩から、急いては事を仕損じる、である。また年齢に関係なく、思い立ったら吉日、あの時にもっと遣っておけば良かった、後になってそう後悔してももう遅いのである。
 
 国や自治体、あるいは民間企業の財政も然りであるが、収入と支出、インプットとアウトプット、食事の摂取とエネルギーの消費、その両方のバランスを取らなければ人間の健康も保つことは出来ない。そのことを今回逗子市が企画した男の料理教室で気付かせてくれたことをとても感謝している。健康な身体はただじっと待っていても誰も届けてはくれない、自分の身体を使ってがむしゃらに取りに行かなければ、決して得られないものなのである。

 

                                          ( 事務局 )